入院時に気管切開が行われていた慢性期療養型病院入院症例におけるカニューレ抜去の成否に関わる因子の臨床的検討
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概要
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本研究においてわれわれは慢性期療養型病院入院症例におけるカニューレ抜去の成否を左右する因子について検討を行った。新規入院時においてカフ付き側孔無しカニューレを使用しており,かつJapan Coma Scale 2桁までに意識レベルが保たれた気管切開症例で,3カ月以上経過観察可能であった35症例を,入院経過中カフ付き側孔無しカニューレをずっと使用していた23症例 (A群),カフ無しスピーチカニューレに変更可能であったが,カニューレ抜去には至れなかった5症例 (B群),カフ無しスピーチカニューレ変更の後にカニューレ抜去に至った7症例 (C群) の3群に分け,意識レベル,指示従命能,改訂水飲みテスト,入院中の肺炎罹患の有無,唾液の処理状況,摂食可能な食形態の推移を調査した。その結果,A群よりもB+C群で意識レベル,指示従命能,改訂水飲みテストの結果が良好であったが,B群とC群の間では後者の2つに差を認めなかった。しかしながら,B群とC群の間では入院中の肺炎発症の有無,唾液のカニューレからの漏出の有無,摂食嚥下可能な食形態の推移に明確な差を認めた。以上のことから,カフ付きカニューレからカフ無しスピーチカニューレへの変更には認知能が,カニューレ抜去には下気道クリアランスおよび摂食嚥下能力が関与することが示唆された。
- 特定非営利活動法人 日本気管食道科学会の論文
特定非営利活動法人 日本気管食道科学会 | 論文
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