大阪府立母子保健総合医療センター耳鼻咽喉科における小児気管切開症例の検討
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概要
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当センターでは奇形を伴い出生後すぐに気管内挿管が必要な新生児や心停止などのため直ちに呼吸循環管理を行う必要のある多くの乳幼児の治療を行っている。今回われわれは当センター耳鼻咽喉科において気管切開術を施行した小児症例 (13歳未満) の臨床的検討を行った。対象は1982年1月~2010年10月までの過去28年間に当科にて気管切開術を施行した症例214例であり,その内訳は男性102名,女性112名であった。年齢は中央値11カ月 (0~155カ月) であり原疾患として最も多かったのは神経・筋疾患に伴うもので96例であった。全症例の転帰として現在も気管口が開存しているケースが100例と最も多く,気管口が閉鎖できた例は15例,死亡例は49例であった。死亡した症例のうち46例は原疾患の悪化によるものであり,3例は腕頭動脈気管瘻に伴う出血が原因であった。術後の合併症としては肉芽形成が26例であり,気管狭窄が10例,腕頭動脈気管瘻が4例あった。また気管口閉鎖術後に瘻孔形成を認めた症例が7例認められ,6例は瘻孔閉鎖術にて閉鎖することができたが,1例は微細な瘻孔の残存を認めており今後瘻孔閉鎖術を再度行う予定としている。追加手術として最も多かったのは喉頭気管分離術の29例であった。
- 特定非営利活動法人 日本気管食道科学会の論文
特定非営利活動法人 日本気管食道科学会 | 論文
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