声帯麻痺に対する治療の最前線・甲状軟骨形成術1型の適応
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概要
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甲状軟骨形成術1型 (1型) と披裂軟骨内転術 (AA) はともに経皮的に甲状軟骨外側から声帯にアプローチし,声帯内方移動をさせる術式である。AAは片側声帯麻痺 (VFP) に対しての術式であるが,1型はそれのみならず声門閉鎖不全が音声悪化の原因であるものならば手術適応がありAAに比べ広い。当科のVFPに対する手術適応は,声門間隙が小さく声帯突起のレベル差のないものには1型,声門間隙が大きく声帯突起のレベル差のあるものにはAAである。今回われわれは,当科において1型を含む手術を施行したVFP症例について,術前の音声所見からの術式選択の妥当性,その手術の術前術後の音声機能の改善につき検討した。2002年~2010年に当科にてVFPに対し1型を含む手術を施行した症例は44例であった。1型を主に施行した群:1型群は19例,AAに1型を併施した群:AA+1群は25例であった。44例の術前最長発声持続時間 (MPT) と術前平均呼気流率 (MFR) を比較すると,術前MPTとMFRが良い症例には1型が,悪い症例にはAAが選択されていた。適応を遵守し術式選択することにより,術前術後のMPTとMFRは両群ともに有意差を持って改善していた。GRBAS評価のGスコアは改善傾向であったが有意差はなかった。声門間隙が小さくレベル差のない症例は1型の適応であり,声門間隙が大きくレベル差のある症例はAAの適応であることが再確認された。
- 特定非営利活動法人 日本気管食道科学会の論文
特定非営利活動法人 日本気管食道科学会 | 論文
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