口腔・中咽頭癌の重複癌についての臨床的検討
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概要
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当科で過去12年間に治療した口腔癌155例および中咽頭癌118例の重複癌について，臨床的検討を行った。口腔癌155例中30例 (19.3％)，中咽頭癌118例中42例 (35.6％) に重複癌が存在した。同時性と異時性重複癌の症例比率は，口腔癌で6 : 24，中咽頭癌で18 : 24であった。口腔癌の重複癌としては，胃>食道>下咽頭の順に多く，口腔癌の発生亜部位としては舌が最多であった。特に胃癌との併発は，舌癌のみに生じていた。中咽頭癌の重複癌は，食道>胃>肺の順に多く，発生亜部位で見ると側壁 (口蓋扁桃) 癌が最多であった。口腔癌および中咽頭癌とも，重複癌の予後は悪く，口腔癌では統計学的有意に同時性重複癌の予後が不良であった。一方，中咽頭癌では同時性重複癌症例は，異時性に発生した中咽頭癌先行の重複癌に比べ，統計学的有意に予後が悪かった。同時性重複癌の予後が悪い理由として，口腔癌では進行癌症例の占める割合が多かったこと，中咽頭癌では化学放射線療法群の治療成績が同時性重複癌症例では悪かったことが考えられた。
- 特定非営利活動法人 日本気管食道科学会の論文
特定非営利活動法人 日本気管食道科学会 | 論文
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