喉頭亜全摘手術(CHEP)の術前後における輪状軟骨・舌骨の位置に関する検討
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概要
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喉頭癌に対する喉頭亜全摘手術(CHEP, Cricohyoidoepiglottopexy)を施行した症例の術前,術後の喉頭レントゲン側面写真から舌骨,輪状軟骨の位置の変化を計測した。対象は1997年4月から2004年12月までに手術を施行した症例11例である。全例男性で,最高年齢72歳,最低年齢53歳,平均64.5歳であった。輪状軟骨は術前に比較して術後は上方へ平均3.3cm, 後方へ平均0.9cm移動していた。上方への移動はCHEPの再建方法から妥当な結果と思われた。このため新声門の位置が施行前に比較して高位になることは声門流入の防止に有効であることが示唆された。舌骨は術前に比較して術後は下方へ平均2.1cm, 後方へ平均0.7cm移動していた。輪状軟骨と接合することにより,下方・後方へ移動したのは妥当な結果と思われる。接合により舌骨の位置が下降しても,舌骨上筋群は温存される。嚥下運動における喉頭の上下前後運動を舌骨の嚥下運動の補助により維持できるものではないかと考えている。今回の検討によって,CHEPの嚥下運動における形態学的な妥当性を示す結果が得られたと考えている。
- 特定非営利活動法人 日本気管食道科学会の論文
特定非営利活動法人 日本気管食道科学会 | 論文
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