下咽頭癌の治療戦略 下咽頭癌根治手術における切除範囲の整合性
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概要
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下咽頭癌の食道重複癌頻度は30~40%であるが, 食道癌が下咽頭癌の予後因子になるのかは明らかでない。そのため, 食道重複癌の取り扱いには, 根治性, 予後と侵襲, QOLのバランスを熟慮する必要がある。食道重複癌のうち表在癌の頻度は高く, 食道抜去の適応となる症例は下咽頭癌全体の10~20%程度と考えられる。下咽頭癌の進展は, 粘膜下リンパ流によって進展する不可視病変が特徴である。特に梨状陥凹癌や後壁癌では上方断端の取り扱いが問題となり, 20 mm程度のマージンを取るとともに, 術中迅速診断を活用する必要がある。下咽頭癌の予防的郭清術は, 転移率の高さから, かなり限定される。そのため, 予防的郭清術を施行するには, しっかりとした術前転移診断が必須である。超音波エコーによる転移診断が最も良好であるが, それでも転移リンパ節の検出は半数程度であり, 転移個数の診断となるとさらに困難である。術前のリンパ節転移診断の限界からみて, 転移リンパ節の個数別に頸部郭清術式をきめることは現状では困難と考えられた。
- 特定非営利活動法人 日本気管食道科学会の論文
特定非営利活動法人 日本気管食道科学会 | 論文
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