喉頭に発生した血管平滑筋腫の1例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
喉頭に発生した血管平滑筋腫の症例を経験したので報告する。症例は73歳男性, 主訴はなし。腸閉塞のため近医外科にて手術を施行された際に, 麻酔科医により喉頭腫瘍を指摘され当科紹介された。喉頭ファイバーの所見は, 腫瘍は表面平滑で, 左披裂喉頭蓋ヒダに存在し, 喉頭蓋内面と左披裂部に接し声帯正中をわずかに越えていた。声帯への腫瘍進展はなかった。CTでは内部はほぼ均一, 境界明瞭であり, 腫瘍に一致した造影効果を認め, MRIではT1強調画像では低信号, T2強調画像では高信号, Gd造影にて増強効果を認めた。外来にて生検を行うも確定診断がつかず, 入院後喉頭直達鏡下生検を施行し, 血管平滑筋腫の疑いであった。後日, 中気管切開術を施行後, 喉頭直達鏡下手術にて腫瘍摘出を試みた。しかし腫瘍が大きく, 多量の出血を認めたため, 外切開による腫瘍摘出術を行った。摘出標本の病理組織検査では血管平滑筋腫の診断であった。血管平滑筋腫の摘出に際しては, 腫瘍の大きさや発生部位, 臨床所見, 腫瘍の形状をもとに術中出血の可能性を念頭に置いた術式の選択 (喉頭直達鏡下手術と外切開による腫瘍摘出術の選択, 気管切開の有無) が重要であると思われた。
- 特定非営利活動法人 日本気管食道科学会の論文
特定非営利活動法人 日本気管食道科学会 | 論文
- Autopsy Cases of 14 Children with Foreign Bodies in the Airway.
- タイトル無し
- Symposium 1:Pathophysiology of the hypopharynx and esophagus in the geriatric age group. A. Surgical treatment for the aged patients with cancer of the thoracic esophagus.
- Endoscopic Surgery. Thoracoscopic Surgery for Esophageal Submucosal Tumors.
- Glottic Closure for the Treatment of Recurrent Aspiration Pneumonia in Severely Handicapped Young Persons.