神経難病における気道食道分離術の検討
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概要
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誤嚥をきたし,リハビリテーションで改善のみられない難治性嚥下障害の患者に対して,嚥下性肺炎の防止や患者のQOL向上のために誤嚥防止手術を選択することがある。当科ではこれまでに,原疾患が神経難病の患者18例に対して,誤嚥防止目的のために気道食道の分離術を行った。原疾患は筋萎縮性側索硬化症(ALS)が11例,パーキンソン病が3例と多く,術式は,気管食道吻合術7例,喉頭全摘出術9例,喉頭全摘出術+咽頭弁形成術2例であった。ALSでは唾液や水分でのむせによる苦痛や呼吸困難から手術を選択するものを多く認めた。一方,それ以外の神経難病では嚥下性肺炎の反復により手術を選択するものがほとんどであった。術後は18例中17例で経口摂取が可能(14例で全量経口摂取可能)となったが,原疾患が進行性であるため,経過とともに経口不良となる症例を多く認めた。しかし,本来の目的である誤嚥の防止ははかれており,肺炎の防止,喀痰吸引回数の減少,そしてより長く経口摂取が可能となりQOLが向上するという点から,神経難病においても誤嚥防止手術は有用であると思われた。
- 特定非営利活動法人 日本気管食道科学会の論文
特定非営利活動法人 日本気管食道科学会 | 論文
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