両側喉頭麻ひ症例の臨床的検討
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概要
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両側喉頭麻痺の発症頻度は少ないが呼吸困難,音声障害,嚥下障害を起こし,それらに対して対応が必要である。今回われわれは開院以来の音声外来に登録された両側喉頭麻痺症例について臨床的に検討した。症例は1971年7月から2002年11月までに当科を受診し,両側喉頭麻痺と診断治療した28例,男性17例,女性11例である。平均年齢は男性61歳,女性は51歳であった。主訴は嗄声が12例,呼吸困難が9例であった。嚥下障害は28例中11例に認められた。受診時の声帯の位置は両側正中固定が12例,副正中位が7例,中間位は2例,不全麻痺が5例であった。麻痺の原因は手術に続発した麻痺が14例と多く,甲状腺手術後が9例,食道腫瘍術後が2例,胸部外科手術に続発したのが3例であった。腫瘍が原因としたのは5例,特発性と考えたのは7例,長期挿管が原因としたのは1例,異時性に麻痺となったのは2例であった。治療はほとんどの症例で気管切開術が行われていて,3例だけが行われていなかった。声門を開大する手術をしたのは12例で,声門前方開大術が9例で最多であった。自然治癒したのは3例で5カ月以内であった。声門開大術は発症後6カ月以降に行うのが妥当と考えられた。
- 特定非営利活動法人 日本気管食道科学会の論文
特定非営利活動法人 日本気管食道科学会 | 論文
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