反回神経麻ひをきたす疾患とその対策
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概要
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1976年10月から2001年6月までに,著者らが愛媛大学附属病院および熊本大学附属病院で経験した反回神経麻痺患者は601名で,年齢は60歳代,70歳代に多く,男性は女性の1.3倍であった。最初の10年間の術後性麻痺患者の割合が27.3%であったのに対し,1986年から1997年,1998年10月から2001年6月までの期間はそれぞれ50.6%,47.0%を占め,術後性麻痺の増加が明らかになった。術後性麻痺の原因は,甲状腺手術,挿管性麻痺,食道癌手術,心臓大動脈疾患の手術,肺癌手術の順に多かった。たとえ原疾患の経過が順調でも,術後性反回神経麻痺による高度の嗄声や嚥下障害をきたして日常生活に支障をきたすことが稀ではない。著者らは71症例に対して積極的に音声外科手術(おもに披裂軟骨内転術と甲状軟骨形成術I型)を行ってきた。術後発声機能は全例で改善したが正常範囲まで至らない例が半数弱にみられた。披裂軟骨内転術を施行した38名中3名で呼吸困難のために気管切開を行った。1名は健側声帯の外転が十分でないことが,他の2名は食道癌術後で再建胃管内容物の逆流によって喉頭痙攣をきたしたことが原因と考えられた。
- 特定非営利活動法人 日本気管食道科学会の論文
特定非営利活動法人 日本気管食道科学会 | 論文
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