頭頚部,食道,肺重複癌の検討
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
1995年1月より2001年9月までに治療を行った頭頸部,食道,肺重複癌症例は12例であった。頭頸部・食道重複癌は6例で頭頸部癌の2.0%,食道癌の4.4%,頭頸部・肺重複癌は2例で頭頸部癌全体の0.7%,肺癌の0.3%,食道・肺重複癌は4例で食道癌の2.9%,肺癌の0.6%であった。頭頸部癌の内訳は咽頭5例,喉頭2例,副鼻腔1例であった。頭頸部癌と食道癌の重複頻度が頭頸部癌と肺癌の重複頻度より有意に高く,第1癌発症時の平均年齢は肺・食道重複癌が71歳で最も高齢であった。第1癌発見後第2癌発現までの期間は同時から10年で,第2癌がスクリーニングで発見されたのは2例のみであり,他の10例は何らかの自覚症状を契機に発見され,病期はI・II期癌が58%,III・IV期癌が48%で,第2癌が必ずしも早い時期に発見されるとは限らなかった。頭頸部癌先行もしくは同時性の食道癌に対しては胸腔鏡下食道切除,T3癌には放射線治療が行われた。肺癌先行の食道重複癌では右開胸による食道切除が行われた。食道・頭頸部重複癌の第1癌切除後のKaplan-Meier法による5年生存率は65%,肺・頭頸部重複癌の第1癌治療後の5年生存率は100%であった。肺・食道重複癌の第1癌(肺癌)切除後の5年生存率は50%であったが,第2癌(食道癌)の切除後2年以上生存例はない。頭頸部・食道・肺重複癌症例では,頭頸部癌がコントロールされれば肺癌,食道癌はそれぞれの原発性癌に準じた根治的切除が可能な症例の予後は期待できる。
- 特定非営利活動法人 日本気管食道科学会の論文
特定非営利活動法人 日本気管食道科学会 | 論文
- Autopsy Cases of 14 Children with Foreign Bodies in the Airway.
- タイトル無し
- Symposium 1:Pathophysiology of the hypopharynx and esophagus in the geriatric age group. A. Surgical treatment for the aged patients with cancer of the thoracic esophagus.
- Endoscopic Surgery. Thoracoscopic Surgery for Esophageal Submucosal Tumors.
- Glottic Closure for the Treatment of Recurrent Aspiration Pneumonia in Severely Handicapped Young Persons.