術後性声帯麻ひの検討 挿管性麻ひを中心に:挿管性麻痺を中心に
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概要
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1997年1月から2000年5月までに,当科にて加療を行った術後性声帯麻痺症例18例を対象とした。18例に対し手術内容,手術時間,麻酔方法,挿管時間,声帯麻痺の改善の有無,治療法,改善例における回復までの期間等につき検討を行った。声帯麻痺の改善率は73%であった。非改善例5例は全例胸部,頸部の手術例であり,術中に反回神経が直接損傷された可能性が考えられた。改善例13例中10例は反回神経,声帯とは無関係の手術例であり,これらは気管内挿管による麻痺と考えた。挿管性声帯麻痺の改善率は100%であり,平均改善期間は37.7日であった。ATP療法の有無による比較では,改善期間に差は認められなかった。平均手術時間は5時間58分,挿管時間は20時間27分であった。挿管中に気管内チューブのカフ圧をモニターされている症例はなかった。以上より,挿管性声帯麻痺の原因としては,気管内チューブのカフ圧による気管粘膜の循環不全,長期挿管が重要と考えた。挿管性声帯麻痺に対する治療については,予後良好であること,ATP療法により改善期間に差を認めなかったことから,積極的な治療は必要なく,経過観察のみで十分であると考えた。
- 特定非営利活動法人 日本気管食道科学会の論文
特定非営利活動法人 日本気管食道科学会 | 論文
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