頚部リンパ節腫脹で発症し原発巣の同定が困難であった印環細胞成分を有する原発不明癌の1剖検例
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概要
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背景.印環細胞癌は胃癌に特徴的な組織型で,他臓器には稀である.症例.78歳男性.左頚部リンパ節腫脹で前医を受診し,生検で印環細胞癌,免疫染色でCK7(+),CEA(+),MUC5AC(+),PSA(-),TTF-1(-),CK20(-),CD10(-)と診断された.PET-CTで胃へのびまん性集積と右下葉結節への集積,縦隔リンパ節腫大を認め,上部消化管内視鏡で胃高分化腺癌を認め,下部消化管内視鏡では悪性所見は認めなかった.当院紹介受診され,気管支鏡で悪性所見を認めず,原発不明癌としてカルボプラチン+ドセタキセルによる化学療法を開始したが,5サイクル施行したところで,肝転移,肺内転移,縦隔転移を認め中止.セカンドラインでS-1を開始したが腎機能悪化のため1サイクルで中止.癌性胸水で呼吸不全となり全経過は9ヶ月で死亡.剖検で肺結節は良性結節であり,肺間質,前縦隔,心嚢水,胸水に印環細胞癌を認めたが,胃,肺実質に原発巣の所見を認めず,胃高分化腺癌も認めなかった.結論.我々は剖検でも原発不明であり,化学療法により原発巣・胃の高分化腺癌が消失した可能性がある1例を経験した.
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特定非営利活動法人 日本肺癌学会 | 論文
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