高次脳機能障害者の自動車運転について
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概要
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高次脳機能障害をもつ者は運転に関して,認知症のような絶対的欠格事由ではない。しかし,認知機能のどの領域がどの程度保たれていれば運転適性とみなされるかの基準があいまいである。高次脳機能障害者の運転能力を評価する方法としては,実車による路上評価,運転シミュレータ等によるオフロード評価,机上の神経心理学的検査,家族等同乗者による評価が挙げられる。このうち,一応のゴールドスタンダードとみなされるのは実車による路上運転評価であり,今後,医療機関と自動車教習所などとの連携により,高次脳機能障害者の路上運転評価を系統的に進めていくシステム作りが急務である。本稿では,我々が行っている高次脳機能障害者の運転評価の状況について,症例をあげて概説した。高次脳機能障害者の自動車運転については,さまざまな分野の専門家がそれぞれの立場から意見を出し合い,最良の方策を検討していくべき問題である。
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日本高次脳機能障害学会 | 論文
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