道具の使用障害におけるエラータイプ分類と関連病巣
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概要
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道具の使用障害の現象を明らかにするために,右利き左脳損傷・道具の使用障害者 16 名に 20 種類の道具使用課題を施行し,エラータイプの分類を試みた。さらにエラータイプと道具の特性・関連病巣について考察した。エラータイプを道具の使用過程から,I. 行為の意味,II. 動作準備,III. 道具把持,IV. 対象選択,V. 使用手順,VI. 道具操作,VII. 効果検証,VIII. 終了判断の 8 つに分けた。エラーの数は道具の特性に左右される可能性が示唆された。また行為の意味エラーはすべての道具に出現するが,道具把持・操作エラーは道具の形状の影響も考慮された。病巣は I : 側頭葉,III : 大脳基底核,V : 側頭葉・頭頂葉から前頭葉への連絡経路,VI : 頭頂葉皮質下との関連性が示唆された。 以上より,病巣から推測しうる道具の使用障害のタイプから,それに応じた方策を展開することが,道具の使用障害のリハビリテーションを一歩推し進めることになると考えられた。
- 日本高次脳機能障害学会の論文
日本高次脳機能障害学会 | 論文
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