立位姿勢が高次脳機能課題とペグボード作業効率へ及ぼす影響
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概要
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脳卒中患者に高次脳機能検査と巧緻動作課題を立位と座位で行い,その関連が比較された。右利きの脳卒中後遺症右片麻痺患者8 名(男性6 名・女性2 名,年齢68.6 ± 7.0 歳),発症から4 ヵ月以上経過したものであった。方法は,Trail Making Test part A (TMT),線分抹消,線分二等分,Mini Mental State Examination(MMSE),ペグボードテストを立位と座位で行い,立位先行者4 名,座位先行者4 名とし,1 週間後に前回とは異なる姿勢で計測した。結果,TMT は立位と座位で有意差を認めず,ペグボードテストでは立位の方が有意に速かった。線分抹消,線分二等分,MMSE, 1 ・2 回目の比較では有意差はなかった。今回の結果から,立位姿勢は脳卒中患者の非麻痺側上肢でのペグボードテストの作業効率を高めるが,その機序は注意・半側空間無視・認知面とは異なる因子の改善によるものと推察される。
- 日本高次脳機能障害学会の論文
日本高次脳機能障害学会 | 論文
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