アンジオテンシンII受容体遮断薬およびCaきっ抗薬の慢性経口投与は,高血圧ラットの循環調節の高い線形性を低下させ,低い非線形性をこう進させる
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概要
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これまで私どもは高血圧自然発症ラット(SHR)では,正常血圧ラット(WKY)に比べて神経性循環調節の線形性が高く,非線形性が低いことを報告してきた.そこで,本研究ではカンデサルタンとアムロジピンの14日間の経口投与により,SHRの腎交感神経活動(RSNA)と血圧(BP)およびRSNAと腎血流量(RBF)の相関の線形性および非線形性がどのように変化するかを検討した.カンデサルタン,アムロジピン両群で有意な血圧低下および腎血流量の増加を認めた.一方,腎交感神経活動はカンデサルタン群で有意に抑制されたが,アムロジピン群では有意には抑制されなかった.RSNAからBPおよびRSNAからRBFへの伝達関数のコヒーレンスは,カンデサルタン群, アムロジピン群でvehicle群と比較して有意に低下し,相互情報量(線形性と非線形性)は有意に増加した.このことより,SHRの高い線形性が低下し,低い非線形性が増加したことが示された.これらの結果からカンデサルタン,アムロジピンは高血圧患者の不良な予後を改善することが期待される.
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