ネピアグラス（Ｐｅｎｎｉｓｅｔｕｍ ｐｕｒｐｕｒｅｕｍ Ｓｃｈｕｍａｃｈ．）とトウモロコシ（Ｚｅａ ｍａｙｓ Ｌ．），における地上部の水の通導抵抗の種間比較
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概要
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超多収性作物であるネピアグラスの地上部, 特に茎部の水輸送特性を明確にするため, 高圧流量計を用いてネピアグラスの地上部各部位の水の通導抵抗を測定した. 結果を以下に述べる. 1)ネピアグラスの地上部, 葉身部および茎節部の水の通導抵抗(<I>R<SUB>shoot</SUB>, R<SUB>leaf</SUB></I>および<I>R<SUB>stem</SUB></I>)は, すべてトウモロコシに比較して有意に高かった. 特に, <I>R<SUB>stem</SUB></I>の種間差は大きく, トウモロコシの約4倍だった. 2)ネピアグラスの茎の断面積(<I>SA</I>)はトウモロコシよりも小さく, <I>R<SUB>stem</SUB></I>を<I>SA</I>で正規化した<I>R<SUP>S</SUP><SUB>stem</SUB></I>では<I>R<SUB>stem</SUB></I>の場合と比較して両種の差が大きく低下した. しかし, <I>R<SUP>S</SUP><SUB>stem</SUB></I>は依然としてネピアグラスの方が有意に高く, ネピアグラスの高い<I>R<SUB>stem</SUB></I>は<I>SA</I>と<I>R<SUP>S</SUP><SUB>stem</SUB></I>の相乗効果によるものと考えられた. 3)茎部の水の通導抵抗を, 節の葉鞘方向の水の通導抵抗(γ<SUB>γ</SUB>), 節の茎頂方向の水の通導抵抗(γ<SUB>a</SUB>)および節間の水の通導抵抗(γ<SUB>in</SUB>)の3つに分割した. ネピアグラスのγ<SUB>γ</SUB>およびγ<SUB>a</SUB>は共に高く, 特にγ<SUB>γ</SUB>で顕著な種間差が確認された. これらのことよりネピアグラスの<I>R<SUP>S</SUP><SUB>stem</SUB></I>の高さには節部の水の通導性が関与しており, 茎の細さと節部の高い水の通導抵抗の相互作用によって本植物1茎全体の水の通導抵抗が増加したものと考えられた.
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