Staged managementを行った重度軟部組織損傷を伴う前腕開放骨折の2例
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概要
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重度前腕開放骨折に対してstaged managementを行った2例を経験したので報告する.症例1,48歳男性.精神発達遅滞あり.空き缶を圧縮する機械に左上肢が巻き込まれ受傷.左橈尺骨骨幹部開放骨折に対し,同日デブリドマン,創外固定施行.複数回のデブリドマンおよび湿潤療法を行い,受傷19日後に橈骨骨接合・植皮を行った.受傷2年後の最終観察時,創状態および骨癒合良好であった.症例2,82歳男性.重度認知症あり.チェーンソーを勝手に持ち出し左前腕受傷.左前腕不全切断に対し,同日にデブリドマン,創外固定および神経血管・腱縫合を行った.複数回のデブリドマンおよび湿潤療法を行い,受傷2カ月後に骨接合施行.受傷1年6カ月後の最終診察時,創状態および骨癒合良好であった.重度軟部組織損傷を伴う前腕開放骨折では軟部組織の治療と並行した骨折部の内固定が難しい場合がある.創外固定にて軟部組織損傷の改善後,内固定に移行するStaged managementが有用であった.
- 西日本整形・災害外科学会の論文
西日本整形・災害外科学会 | 論文
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