骨巨細胞腫と腱鞘巨細胞腫を合併した1例
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概要
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骨巨細胞腫と腱鞘巨細胞腫を合併した1例を経験したので報告する.症例は49歳,女性.平成17年10月,右第4趾の腫瘤を主訴に近医を受診し,腫瘍性病変が疑われ当科紹介となった.右第4趾背側に径15×10mmの弾性軟,可動性不良な腫瘤を触知し,MRI検査にて腱鞘巨細胞腫が疑われたため,腫瘍摘出術を施行した.術後病理診断は腱鞘巨細胞腫であった.術後2ヶ月より右膝痛が出現し,画像検査にて右脛骨近位部に骨巨細胞腫が疑われたため,術中迅速病理検査で確認し,掻爬および骨移植術を施行した.術後病理診断も骨巨細胞腫であった.術後2年で骨巨細胞腫の局所再発を認め,再手術を施行した.術後4年で骨巨細胞腫の肺転移を認め,右肺部分切除術を施行した.現在,術後6年が経過し,新たな再発,転移は認めていない.骨巨細胞腫と腱鞘巨細胞腫の合併例は,我々が渉猟しえた限り国内報告の1例のみであり,非常にまれであると考えられた.
- 西日本整形・災害外科学会の論文
西日本整形・災害外科学会 | 論文
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