肘周辺転移性骨腫瘍による病的骨折に対して人工肘関節置換術を行った2例
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概要
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肘関節周辺転移性骨腫瘍による病的骨折はその治療に難渋することが多い.今回,肘周辺病的骨折に対してDiscovery elbow systemを用いて人工肘関節置換術(以下TEA)を行った2例を報告する.症例1:61歳男性.腎癌の肘頭転移例.症例2:79歳女性.肺癌の上腕骨遠位転移例.2例ともに6カ月以上の予後が見込まれTEAを行った.当科では肘関節周辺病的骨折において,コントロール困難な疼痛や強い不安定性があり,予後が3カ月以上見込まれ手術可能な全身状態である患者に限り手術を行っている.以前までは腫瘍切除後の骨欠損に対してアドリアマイシン含有セメントを充填し内固定することで対応していたが,局所再発のため短期成績は不良であった.2010年よりDiscovery elbow systemを用いたTEAを行っており良好な短期成績が得られた.半拘束型人工肘関節は適応を選べば有用な再生手術となり得る.
- 西日本整形・災害外科学会の論文
西日本整形・災害外科学会 | 論文
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