四肢の筋痛様症状を訴えたGuillain-Barré症候群の1例
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概要
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Guillain-Barré症候群(以下GBS)は急性末梢神経脱髄疾患であり,その症状は運動障害が主で感覚障害は軽度とされる.主訴が全身筋痛様症状であったため診断に難渋した1例を体験したので報告する.【症例】83歳女性.2011年2月起床時に四肢を中心とした全身痛が出現した.疼痛は徐々に悪化し発症3日目に動けないほどになったため,近医より当科に紹介入院となった.入院時は下肢優位の四肢のしびれを認めた.高度な疼痛のため筋力は評価困難であった.感染症・膠原病を念頭に原因検索を行った.6日目に急性呼吸不全を呈し挿管・人工呼吸器管理した.症状経過よりGBS疑われた.腰椎穿刺で髄液蛋白細胞解離を認めGBSと診断した.呼吸状態は徐々に安定し10日目に抜管した.【考察】神経因性疼痛が前面にでたため病状把握困難であった.筋痛様症状を呈する場合は整形外科受診の可能性があるため,本疾患を念頭におく必要がある.
- 西日本整形・災害外科学会の論文
西日本整形・災害外科学会 | 論文
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