矯正操作中に著しい血圧低下を認めた側弯症の一例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
(はじめに)severeかつrigidな胸椎カーブを有す特発性側彎症放置例に対する矯正操作中に,顕著な血圧低下を示し手術術式の変更を余儀なくされた症例を経験したので報告する.(症例)22歳女性.身長155cm,体重33kg.コブ角(T4-11)は立位116度,右側屈91度.2011年11月に前方後方解離後,二期的に後方固定術を施行.rodの回旋による側弯症矯正を行った際に動脈圧が一気に低下し計測不能となり,回旋を戻すと速やかに復した.再度のrod rotationでも同じ状態となり一旦手術を中止した.胸郭の狭小化とintrathoracic humpがあり,胸腔内圧上昇に伴い静脈還流が低下したと考えた.再手術では凹側の肋骨基部切除とtemporary rodの併用と,十分な補液を行い,血圧低下なく終了し得た.(考察)severeかつrigidな側弯では術前に脊柱や胸郭の変形,心臓や大血管の圧迫所見の評価,及び術中の血圧低下への対策も重要と考えられた.
- 西日本整形・災害外科学会の論文
西日本整形・災害外科学会 | 論文
- 多数の米粒体を含んだ慢性関節リウマチ性肩峰下滑膜嚢炎の2症例
- 固定足の踏下圧について-1-
- 超音波検査による深部静脈血栓症に伴う血行動態の検討
- Von Recklinghausen病に合併した胸腔内髄膜瘤の2例
- 頸骨ACL付着部骨折に対する鏡視下骨接合術の経験