手指に発生した傍骨性骨軟骨異形増生(Bizarre parosteal osteochondromatous proliferation)の2例
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概要
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傍骨性骨軟骨異形増生(BPOP)は,Noraらにより報告された,手足の短管骨に好発し傍骨性腫瘤を形成する稀な疾患である.今回我々は手指に発生した2例を経験したので報告する.【症例1】58歳女性.3年前より小指中節骨背側の腫瘤を主訴に受診.単純X線では,中節骨背側に接する骨病変を認めた.CTでは骨髄との連続性は明らかでなかった.術中所見は,中節骨背側より発生する軟骨性腫瘍であり,BPOPと診断した.【症例2】33歳男性.1年5か月前から示指中節骨橈側の腫瘤を主訴に近医受診,切除術を受けた.類骨骨腫の病理診断で観察中,半年後から同部の腫脹自覚し当科紹介受診.単純X線では骨腫瘍基部の残存,その浅層にMRIで軟部病変を認めた.術中所見は骨皮質から連続する基部に軟骨性腫瘍が存在しておりBPOPの再発と診断した.両症例とも組織学的に線維性被膜に覆われた軟骨組織で,骨化巣や,大型,二核の軟骨細胞も認めた.再発に十分注意が必要である.
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西日本整形・災害外科学会 | 論文
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