当科における手部発生軟部腫瘤手術例の検討:―術前診断の妥当性―
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概要
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手・指に発生する悪性軟部腫瘍は稀であるが,良悪性の判別が困難な症例もある.当科にて手術を行った手・指に発生した軟部腫瘍および腫瘍類似疾患の内訳,特に術前診断の妥当性について検討した.軟骨肉腫1例を除きすべて良性で,GCTTSが11例,lipoma4例,ganglion4例,fibroma3例,hemangioma3例,schwannoma2例,angioleiomyoma2例その他8例と諸家の報告とほぼ一致していた.これらの良性腫瘍は臨床症状や局在,MRI・エコー等の画像所見からほぼ術前診断が可能であったが,schwannoma・angioleiomyomaの一部の症例では術前に悪性が疑われ,生検術を施行していた.手という解剖学的特殊性上,無計画な治療は重大な損失につながる.悪性も念頭に置き,大きさ5cm以上やMRI上悪性軟部腫瘍が疑われるもの,エコードプラー法にて腫瘍内に血流が豊富であるものは生検術が必要と考えられた.
- 西日本整形・災害外科学会の論文
西日本整形・災害外科学会 | 論文
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