硬膜外悪性リンパ腫の2例:診断と初期治療について
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概要
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(要旨)症例1:53歳男性.胸腺腫の診断で加療中,突然左下肢の脱力を自覚し救急搬送された.Frankel分類Cであった.MRIではT8-11の硬膜外腔背側に腫瘤あり.コハク酸メチルプレドゾロンの経静脈投与と放射線治療を行った.速やかにFrankel分類Eまで改善,MRIにて腫瘤も消失した.その後の精査で,リンパ芽球性リンパ腫と診断された.救急搬送より7ヶ月後に死亡した.症例2:54歳女性.腰痛とふらつきを主訴に受診した.Frankel分類Dであった.MRIではT5-12の硬膜外腔背側に腫瘤あり.右上腕部より生検を行い,B細胞性びまん大細胞型悪性リンパ腫と診断した.その後症例1と同様の治療を行った.速やかにFrankel分類Eまで改善,MRIで腫瘤の消失を確認した.初診より1年後化学療法を施行中である.【結語】硬膜外腫瘤の鑑別に悪性リンパ腫を挙げ,速やかに対応する必要がある.
- 西日本整形・災害外科学会の論文
西日本整形・災害外科学会 | 論文
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