診断に難渋した踵骨前方突起偽関節の一例
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概要
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初診時に見逃され有痛性に経過した踵骨前方突起偽関節の一例について報告する.症例は16歳男性で,約2年半前に足関節を内反するように捻り受傷した.近医では靭帯損傷の診断にて保存的に加療されスポーツ活動へも復帰していたが,運動時の疼痛が残存し十分な活動ができない状況であった.X線所見では明らかな骨折は認めなかったが,CT,MRI等での精査にて踵骨前方突起部の偽関節を認めた.症状改善のため偽関節部の新鮮化および骨接合を実施し,術後6ヶ月の経過にて疼痛の再燃はなく経過は良好である.踵骨前方突起骨折はその受傷機転から見逃されやすい骨折の一つである.新鮮例では保存的加療にて良好な成績が報告されており,偽関節例では骨接合,骨片切除等の観血的治療の適応となる.踵骨前方突起偽関節例における治療選択について文献的考察を加え報告する.
- 西日本整形・災害外科学会の論文
西日本整形・災害外科学会 | 論文
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