大腿骨転子部骨折術後に偽関節を生じた2症例
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概要
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近年,大腿骨転子部骨折の患者に対する手術療法は,早期離床を目的に,多くの施設で行われている.今回われわれは,そのうちの偽関節を来した症例について調査,検討したので報告する.2008年7月~2010年6月に当院で手術療法を行った大腿骨転子部骨折70症例のうち,偽関節を来した2症例を対象とした.偽関節を来した2症例について,(1)骨折型,(2) tip apex distance(以下,TADと略す),(3)後療法について検討した.70症例のうち不安定型骨折は20症例で,2症例とも不安定型骨折であった.TADは,今回の2症例においては,症例1が21.6mm,症例2が30.7mmと,いずれも推奨値を超えていた.後療法は,症例1は術後6日後から,症例2は術後4週後から全荷重を開始した.どちらの症例も整復位は良好だが,内固定材料の設置位置は不良であった.カットアウトは生じなかったが,そのために転位を生じたと思われた.
- 西日本整形・災害外科学会の論文
西日本整形・災害外科学会 | 論文
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