抗凝固薬・抗血小板薬内服患者の大腿骨頸部骨折に対する早期手術の可能性
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概要
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当院では大腿骨頸部骨折に対して麻酔科協力の下,抗凝固薬(以下ACD)・抗血小板薬(以下APD)内服患者においても入院後可能な限り早期に手術を行っており,今回これらの患者に対する早期手術の可能性について検討した.2007年5月1日~2011年3月31日までに当院で大腿骨近位部骨折に対して入院後48時間以内に手術を行った大腿骨頸部骨折患者のうち抗凝固薬・抗血小板薬を内服していた患者67例を対象として手術時間,術中出血量,術前後Hb値変化,輸血量,術後重篤合併症,死亡退院例について調査を行った.人工骨頭置換術における輸血症例数にのみ非内服群と有意差を認めたが,手術時間,術中出血量,術前後Hb値変化については非内服群と有意差は認めなかった.術後重篤合併症は7例(10.4%)に認め,うち3例(4.5%)が死亡退院となった.今回の研究で慎重な術後管理を行えば抗凝固薬・抗血小板薬内服患者においても入院後早期手術は可能であると考えた.
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西日本整形・災害外科学会 | 論文
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