市中発症のMRSAによる化膿性股関節炎の一例
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概要
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【症例】11才男性【主訴】発熱,右股関節痛【既往】特記事項なし【現病歴】入院前日から発熱と右股関節痛が出現.【身体所見】全身状態は良好.右股関節内旋で疼痛あり.【検査】WBC13100/μl,CRP12.3 mg/dl【経過】関節穿刺で黄色混濁の関節液が引けた.塗抹標本で細菌は確認されず,CEZ開始し切開ドレナージは見送っていた.翌日に血液培養でグラム陽性球菌検出の報告あり,観血的関節切開ドレナージ施行.第4病日に血液と関節液培養からMRSA検出の報告あり抗生剤はVCMへ変更.4週間投与し軽快,独歩退院した.1年間のフォローで後遺障害はない.【結語】近年市中のMRSAによる化膿性関節炎は増えてきており,入院時からMRSAカバーを含む広域抗生剤の投与が推奨されている.本症例をふまえ当院でもこの方針を採用することとした.
- 西日本整形・災害外科学会の論文
西日本整形・災害外科学会 | 論文
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