受傷数日後のMRIでの靭帯描出像により,保護的早期運動療法による前十字靭帯形態回復を予言できるか?
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概要
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新鮮損傷前十字靭帯(ACL)の修復を目指す保存療法において,受傷後の初期MRI像にて,ACL形態回復の良否が推定できるか検討した.ACL新鮮損傷に対して保護的早期運動療法にて治療し,受傷数日後と治療約1ヶ月後のMRI,およびその後のMRI評価ができた35例(平均年齢27.2歳)を対象にした.受傷より初回MRIまでの平均期間は7.3日であった.初回MRIでの靭帯輪郭描出を5型に分類した.治療約1ヶ月後のMRIにて修復像(直線帯,垂直化)の出現を調べた.経過時MRIでの靭帯形態回復を4分類した.初回MRIでの輪郭描出と経過時MRIでの形態回復との間に相関があるのか,治療約1ヶ月後MRIでの修復像有無が良否判定に参考になるのかSpearman順位相関係数を用いて解析した.その結果,初回MRIでの輪郭描出と,経過時MRIでの靭帯形態回復の間には相関がみられた(r<SUB>s</SUB>=0.565,p<0.001).描出形態が良ければ,良い結果を期待できると言える.一方,治療1ヶ月後MRIでの直線帯や垂直化という修復像の出現は,靭帯の形態回復には関連しなかった.
- 西日本整形・災害外科学会の論文
西日本整形・災害外科学会 | 論文
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