四肢の反復性脱臼を繰り返した歌舞伎メーキャップ症候群の治療経験
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概要
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歌舞伎メーキャップ(Kabuki make-up)症候群は特有な顔貌,軽度知能低下と発育遅延などを特徴とする先天性疾患であるが,この度本症に続発した関節障害を治療する機会を得たので報告する.症例は24歳,女性で,低出生体重児で幼児期より肺炎を繰り返し,また口蓋裂,心房中隔欠損などを合併していた.6歳頃より手,足関節の脱臼を認めるようになり,12歳頃から膝蓋骨脱臼を繰り返すようになった.20歳時に転倒して右膝蓋骨を脱臼し当科紹介となった.初診後4年間の経過中両膝に対して,それぞれ初回手術として脛骨結節内方移動術,再発後内側膝蓋大腿靱帯(MPFL)再建術を行った.また両遠位橈尺関節での尺骨頭背側脱臼に対してHui-Linscheid法,左弾発股に対してZ形成術を行った.術後,脱臼や弾発現象は消失しリハビリを継続している.本症の診療においては膝関節,手関節,股関節などの不安定性の有無に十分留意すべきである.
- 西日本整形・災害外科学会の論文
西日本整形・災害外科学会 | 論文
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