成人発症骨肉腫の治療における化学療法の意義
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概要
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【目的】成人発症骨肉腫において,化学療法の効果が治療成績に及ぼす影響を検討した.【対象】2001年から2008年までに当科にて治療した発症時30歳以上の骨肉腫は8例で,年齢47歳(30~67歳)であった.発生部位は大腿骨6例,脛骨1例,上腕骨1例であり,全例で初診時転移巣を認めなかった.2例を除き術前化学療法の後に手術を施行した.【結果】手術は3例で切断術,4例で広範切除術と人工関節再建術を行った.切除標本による術前化学療法の評価はGrade 0が3例,Grade 1が2例,Grade 2が1例であった.3例は術後9ケ月(3~13ケ月)で肺転移が出現し,DODとなった.平均観察期間3年5ケ月で1例がAWD,4例がCDFであった.【考察】術前化学療法の組織学的治療効果は良好な予後と相関する傾向にあったが,全身状態,副作用のため,化学療法が完遂できなかった症例が多く,治療効果に影響した.
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西日本整形・災害外科学会 | 論文
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