頚髄損傷C6完全麻痺患者に対する手関節形成の小経験
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概要
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頚髄損傷C6完全麻痺患者の手関節機能障害に対し,Sauve-Kapandji法に準じて手関節形成を行った症例を経験したので報告する.症例は40歳男性.約4年前の交通外傷にてC6完全麻痺となった.通常型の生ゴム付きロンググローブを装着して手動車椅子でリハビリ訓練中,左前腕掌尺側に血腫を形成した.血腫形成の原因を精査したところ,尺骨は過回外により完全掌側脱臼しており,手動車椅子を駆動する際に掌側脱臼した尺骨頭がハンドリムに接触することにより血腫を形成したと推測された.電動車椅子ではなく,手動車椅子で生活したいとの本人の強い希望があり,Sauve-Kapandji法を用いて遠位橈尺関節の整復と近位骨片の制動を行った.術後約3ケ月間装具による固定を行い通常型グローブに変更したが血腫の再燃は認めず,手動車椅子訓練を再開できた.肘関節への影響など今後の経過観察が必要である.
- 西日本整形・災害外科学会の論文
西日本整形・災害外科学会 | 論文
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