膝開放骨折後の内反膝変形に難渋している一例
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概要
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症例は13歳男性.8歳時に交通事故にて左膝開放骨折を受傷した.前医にてデブリードマンを行うもMRSA感染を併発し,創閉鎖に複数回の植皮を行い感染は沈静化するも膝関節拘縮を来たし当院紹介となった.初診時伸展-25度,屈曲55度と著明な可動域制限を認めた.観血的授動術直後より感染が再燃し関節内洗浄を行い,再度授動術を行うも大腿骨遠位骨端離解を生じギプス固定を余儀なくされた.骨癒合後に再度授動術を行い,伸展-5度,屈曲105度まで可能となり歩容は改善した.しかし脛骨内側顆部の骨端骨幹部癒合のため徐々に脛骨近位の内反変形が進行した.Femorotibial angle(FTA)が右175度,左191度となり歩行障害が出現した受傷後4年の時点で手術を希望され,矯正骨切り術にて左FTA 173度と過矯正し歩容は改善した.しかし術後13ヶ月,骨端線は未だ開存し左FTA 177度と徐々に内反変形が進行しており,今後追加手術が必要と考える.
- 西日本整形・災害外科学会の論文
西日本整形・災害外科学会 | 論文
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