頚部痛を主訴に整形外科外来を受診した後咽頭膿瘍の1例
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概要
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高齢者やcompromised hostの増加により,成人に発症する続発性後咽頭膿瘍の報告が増加してきているが,今回我々は明らかな先行感染を認めず,激しい頚部痛を主訴に来院した健常人女性の後咽頭膿瘍の1例を経験したので報告する.【症例】49歳女性:頚部痛を主訴に当院初診.頚椎の安静疼痛が高度で著明な可動域制限を認めた.血液検査にてCRPの上昇を認めた.レントゲン写真にて後咽頭腔の拡大ならびにMRIにて後咽頭腔にT1強調像で低信号,T2強調像で高信号変化を認め,後咽頭膿瘍と診断し抗生剤投与を行い症状改善した.【考察】近年,成人に発症する続発性後咽頭膿瘍が増加してきており,頚椎化膿性脊椎炎,縦隔膿瘍,髄膜炎に進展する例も報告され,適切な診断,治療が重要とされている.激しい頚部痛を訴える患者では健常人であっても後咽頭膿瘍も念頭に置き,早急な診断,治療が必要と思われる.
- 西日本整形・災害外科学会の論文
西日本整形・災害外科学会 | 論文
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