頚椎前方固定術直後に血腫による気道閉塞を来した一例
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概要
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頚椎前方固定術の危機管理において椎骨動脈損傷,術後血腫,気道狭窄は重要である.今回我々は,頚椎前方固定術直後に血腫による気道閉塞を来した1例を経験したので報告する.症例は71歳,女性.C3/4頚椎椎間板ヘルニアに対し前方固定術を施行した.手術終了後,搬送中に急激な血腫増大,気道閉塞による急性呼吸不全に陥った.蘇生の後に緊急止血術を施行.出血はC4椎体からの出血であり圧迫にて止血困難で骨蝋でようやく止血した.術後に輸血を要したが,全身状態,脊髄症状いずれも軽快した.本症例はC4/5 Klippel-Feil骨性奇形を有しており椎骨動脈走行異常による損傷が危惧された.術後にCTアンギオにて検索した結果,明らかな椎骨動脈損傷は認めず椎体静脈からの出血であったものと推察された.前方固定術といえども,椎骨動脈の評価を術前に十分行うことが危機管理において重要と考えられた.
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西日本整形・災害外科学会 | 論文
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