軟部肉腫に対する化学療法中に血小板輸血不応状態を呈した1症例
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概要
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軟部肉腫に対する化学療法施行中に血小板輸血不応状態を呈した症例を経験したので報告した.症例は49歳女性,右大腿部滑膜肉腫.術前補助温熱化学放射線療法を施行した後に局所及び肺転移に対する根治術を施行した.貧血の改善目的で術前に照射赤血球(MAP)を2単位輸血,さらに術中にMAPを8単位輸血した.根治術から約1ヶ月後に術後補助化学療法を開始したが,1コース終了後に血小板数の低下と紫斑を認めたため血小板輸血を施行.しかし輸血後の採血でも血小板数の増加は認められず,補正血小板増加数(CCI)値では血小板輸血不応(PTR)であった.スクリーニングにより広範な抗HLA抗体が検出されたが,幸いに重篤な出血をきたすことはなくHLA-PC輸血により血小板数は回復した.前感作歴をもつ患者における強力な化学療法の際には,固形癌であっても,PTR予防を意識した抗HLA抗体のスクリーニングが望ましいと思われた.
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西日本整形・災害外科学会 | 論文
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