大腿骨頚部転位型骨折に対する骨接合術の治療成績
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概要
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当院では大腿骨頚部骨折転位型に対して症例に応じてHansson pinによる骨接合術を施行している.今回,同時期に施行した人工骨頭置換術との比較検討を行ったので報告した.対象はハンソンピンによる骨接合術13例と人工骨頭置換術14例とした.<BR>骨接合術においては術後合併症の発生が6例,46%と高率となる傾向があったが,再手術に至る症例は3例,23%とある程度限定された.人工骨頭置換術では術前の歩行能力の維持が6例,43%であった.又,術後早期の死亡を3例認めた.人工骨頭置換術は骨接合術より侵襲の大きいため,症例に応じて骨接合術も試みられていい方法であると思われた.当院では高齢者でも術前に整復可能と判断した場合にはまず骨接合術を考慮するが,陳旧例や,後療法阻害因子の存在,骨粗鬆症が高度の場合には人工骨頭置換術の適応と考えている.今後の課題として,骨接合術に対するcontraindicationの明確化が必要と思われた.
- 西日本整形・災害外科学会の論文
西日本整形・災害外科学会 | 論文
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