硬膜内へ脱出していた腰椎椎間板ヘルニアの1例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
硬膜内脱出ヘルニアを経験したので報告する.【症例】66歳,男性.元来腰痛があり,平成17年5月頃より左下肢痛出現し近医にて保存的治療を行うも改善なく,平成17年7月に当科紹介となった.初診時左大腿前面の疼痛を訴えたが,神経学的異常を認めなかった.単純X線像で L2/3~L4/5の椎間腔の狭小化と骨棘を認めた.腰椎 MRI 像では L2/3で硬膜管を圧排する腫瘤を認め,脊髄造影では L2/3椎間での硬膜管の圧排・欠損像を認めた.左 L3神経根ブロックにて左下肢痛は一時的に軽減した.以上より L2/3椎間板脱出ヘルニアと診断し手術を行った.【手術】 L2/3の骨棘の突出と一部神経根との癒着を認めるのみで明らかな腫瘤を見出せなかった.硬膜内腫瘤病変を疑い,硬膜を切開し観察すると硬膜内に白色の径1×1.5cm で表面不整な腫瘤を認め,これを摘出した.【術後経過】左下肢痛は消失し,現在外来にて経過観察中である.
- 西日本整形・災害外科学会の論文
西日本整形・災害外科学会 | 論文
- 多数の米粒体を含んだ慢性関節リウマチ性肩峰下滑膜嚢炎の2症例
- 固定足の踏下圧について-1-
- 超音波検査による深部静脈血栓症に伴う血行動態の検討
- Von Recklinghausen病に合併した胸腔内髄膜瘤の2例
- 頸骨ACL付着部骨折に対する鏡視下骨接合術の経験