CCDカメラで撮影した電気泳動像の解析‐光学式濃度計との比較‐
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概要
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光学式濃度測定法(デンシトメトリー)は,セルロースアセテート膜やポリアクリルアミドゲルを支持体とした電気泳動法による血清蛋白,酵素アイソザイムやリポ蛋白の電気泳動像のパターン解析に広く用いられている. 今回我々は,電気泳動による分離パターンをフィンガープリンター装置(常光)のCCDカメラで撮影し,取り込んだ画像データを用いて解析を行う電気泳動像解析システム(CCD法)を考案した. デンシトメトリーとCCDカメラによって測定される光学濃度と画素値の関係を確立するための換算式を求め,その結果に基づき,血清および尿蛋白分画,血清アルカリ性ホスファターゼ(ALP)アイソザイムの電気泳動像について,デンシトメトリー法とCCD法との比較検討を行った. CCD法とデンシトメトリー法とは良好な相関(r=>0.95)が得られ,同等の再現性が認められた.さらに,CCD法はコンピュータの画面上で波形を重ね合わせて比較することができるので,蛋白分画やALPアイソザイムパターン異常の解析が簡単に行えるようになった. これらの結果から,フィンガープリンターを用いたCCD法は,臨床検査における電気泳動像分析において,有用な手法であることが示された.さらに電気泳動像を含んだ患者情報のデータファイリングも簡便に行うことが可能となった.
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