ミクロ2次元電気泳動法を応用したネコ尿中アルブミンの定量と慢性腎不全の病態解析
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概要
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非侵襲的なカテーテル採尿法によって得たネコ尿(0.25 μL)を試料として,ミクロ2次元電気泳動法(micro two-dimensional polyacrylamidegel electrophoresis; M2D-PAGE)による分析を行い,得られたスポットの画像分析よりニワトリ・オバルブミンを標準試料として尿中アルブミン(Alb)値を定量した.なお,スポットはウエスタンブロットおよび質量分析で同定を行い,ネコAlbであることを確認した.M2D-PAGE法による尿中Alb定量は現在獣医臨床検査で行われているヒトAlbを標準試料とした抗ヒトAlb抗体を用いた免疫比濁法に比較して高い定量値を与える測定法であることを確認した.また,慢性腎不全において国際獣医腎臓病研究グループ(The international renal interest society; IRIS)による各病期分類された第I期においてもAlbが高値を示す症例も見られることから,早期診断に有用な検査法であることが示された.加えて,正常ネコでは尿中Alb値が20 mg/dLを超える例が認められないことから,従来のカットオフ値である30 mg/dLを下回る20 mg/dLを正常値の閾値とする基準を提案する.
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