中高年の農村住民における肥満と食べる速さとの関連
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概要
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〔目的〕秋田,岐阜,福岡,長崎の四地域の農村部住民を対象とした生活習慣調査,食事調査,身体計測結果を用いて,食べる速さと肥満との関連を明らかにする。〔方法〕対象者は,2004~2005年の基本健康診査受診者のうち,40~79歳の2,239名 (男性782名,女性1,457名)。肥満の定義は,body mass index (BMI)≤25kg/m2とした。簡易型自記式食事歴法質問票 (BDHQ) の結果から,食べる速さ (遅い,普通,速い),総エネルギー摂取量 (kcal),脂肪エネルギー比 (%),およびアルコール摂取量 (g) を指標とした。他の関連要因として,喫煙習慣はBrinkman index (1日の喫煙本数×喫煙年数),身体活動レベルは国際標準化身体活動票 (IPAQ) を用いて1日の消費エネルギー量 (kcal) を算出した。肥満と食べる速さの関連は,BMIを従属変数,独立変数を食べる速さ,喫煙習慣,アルコール摂取量,身体活動レベル,総エネルギー摂取量,脂肪エネルギー比,年齢,および地域として,共分散分析法により検討した。〔結果〕肥満の割合は男性21.1%,女性21.4%だった。食べる速さが速い群は男性40.3%,女性34.7%で,食べる速さが速い群ほど男女ともに年齢は若く,BMIが高かった。一方,食べる速さは総エネルギー摂取量と関連があり,BMIは地域差を認め,総エネルギー摂取量,アルコール摂取量,脂肪エネルギー比,身体活動レベルと関連があった。そこで,共分散分析により年齢,地域を含めた関連要因の影響を調整した結果,調整後においても,男女ともに食べる速さが速い群はBMIが高かった (男性: p<0.001,女性: p<0.01)。〔結論〕中高年の農村住民において,食べる速さと肥満の間には有意な正の関連を認め,食べる速さが速いことが,肥満の背景にある可能性が示唆された。
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一般社団法人 日本農村医学会 | 論文
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