医療関連死の届出と死因究明について
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概要
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異状死とは, 臨床医が診療経過中に確実に診断できなかった死であり, 公的機関に届け出て解剖等により死因を究明すべき死である. 医師法21条は, 医師は死体を検案して異状を認めたときには, 所轄警察署に届け出るべきことを規定している. 都立広尾病院の薬剤誤注射による患者の死亡に関する裁判 (1999年~) を端緒として, 医療関連死の異状死届出に関して, 日本法医学会の「診療行為に関連した予期しない死亡, およびその疑いのあるものを, 過誤の有無を問わずに届け出るべきである」とするガイドラインに対して, 臨床の諸学会から, 「過誤が強く疑われる場合には届け出るが, 医療行為の合併症などに届出義務を課すべきでない」という反対意見が出され論争が続けられてきた. 平成16年4月13日, 上記の事件に関して最高裁は診療中の医師に届出義務があるという判決を下したが, 届け出るべき対象は示されていない. また, 平成16年4月, 日本内科学会・外科学会・病理学会・法医学会は, 過誤の明らかでない医療関連死の届出と解剖等による死因究明をする第三者機関の設立に関する共同声明を発表して事実上論争が終結した. これを受けて厚生労働省は, 来年度, 医療関連死の解剖・評価を行うモデル事業を実施することになっている. 本稿では, 事例をもとに医療関連死の届出と解剖に関する意義や問題点を考えてみたい. また, この第三者機関のモデルとなる英米の死因調査行政機関を紹介したうえ, 今後の日本における第三者機関の方向性を簡単に紹介したい.
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