トイ・プードルの進行性膝蓋骨内外両方性脱臼の3症例
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概要
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歩行困難を呈したトイ・プードルの進行性膝蓋骨内-外両方性脱臼の3症例に遭遇した。それぞれの症例に対し内側支帯強化術を含む外科的治療を行った結果良好な成績が得られた。内側膝蓋大腿靭帯の組織学的検索では、小径のコラーゲン細線維が顕著で、さらには結合組織疾患を連想させるような異形なコラーゲン細線維の所見が認められた。この所見から、犬の膝蓋骨内外両方性脱臼は膝関節周囲の緩みが進行する疾患である可能性が示唆された。そこで関節周囲組織の弛緩による再脱臼防止のためには、従来の脱臼整復法に加え、本症例で実施した非吸収性縫合糸による内側支帯強化術が有効であり本疾患の治療方法の選択肢の一つとなると考えられた。
- 獣医麻酔外科学会の論文
獣医麻酔外科学会 | 論文
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