僧帽弁領域に収縮期心雑音を有する犬に対する放射線治療時におけるプロポフォール持続静脈内投与を用いた不動化法の臨床的検討
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概要
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放射線治療を目的として、僧帽弁口部に収縮期雑音のある犬33頭(NYHA クラスI)をプロポフォール持続静脈内投与(負荷用量4 mg/kg、維持投与量0.3 mg/kg/min:P-CRI群)、心雑音のない犬33頭をメデトミジン10μg/kg-ミダゾラム0.15 mg/kg-ブトルファノール0.025 mg/kgで不動化した(MMB群)。不動化時間の平均値±標準偏差はP-CRI群22.2±12.6分間およびMMB群17.4±5.5分間であった。P-CRI群18.2%およびMMB群6.1%で不動化維持に追加投与を要した。P-CRI群の呼吸循環機能は正常範囲で推移し、MMB群では心拍数が低下した。P-CRI群はプロポフォール投与中止後15.2±5.5分、MMB群はアチパメゾール投与後5.6±5.1分で起立した。いずれも反復不動化による悪影響は認められなかった。軽度の慢性心不全を持つ犬においても、プロポフォールの持続静脈内投与によって最小限の呼吸循環抑制で反復不動化できた。
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獣医麻酔外科学会 | 論文
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