紐状異物による十二指腸の穿孔に対して腸管内側から修復を行った犬の1例
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概要
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6か月齢、雄のゴールデンレトリーバーが嘔吐を主訴に上診し、紐状異物による腸閉塞と診断された。開腹手術により十二指腸から空腸に穿孔を伴う重篤な傷害が明らかとなった。損傷の激しい部位に対する十二指腸切除術は総胆管及び膵管が含まれることから困難であり、穿孔部が膵臓付着側にあるため膵管と血管によって漿膜面からの穿孔部の縫合が困難であることから、十二指腸を温存し、膵臓付着側の対側を縦切開して粘膜面から縫合する方法を実施した。術後の経過は極めて順調であったので、本法は切除困難な場合の腸管の穿孔に対する治療法の1つとして有用であると思われた。
- 獣医麻酔外科学会の論文
獣医麻酔外科学会 | 論文
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