アメリカンコッカスパニエルの頬部に発生した組織学的低グレード線維肉腫の1例
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概要
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7歳齢の雄のアメリカンコッカスパニエルが右頬部の腫瘤を主訴に来院した。切除生検による病理検査で, 腫瘤は線維腫と診断された。初診後の45日間に腫瘤は2倍大にまで急速に成長し, 外科的切除を実施した。腫瘤の病理組織所見は最初の検査と同様であったが, 再発した腫瘍は骨を吸収しながら眼窩, 鼻腔, および口腔へと浸潤し, 初診の9ヶ月後に安楽死された。病理組織学的には原発腫瘍に比べて再発腫瘍は細胞密度および異型性が高く, 免疫組織化学的に増殖細胞核抗原に対する陽性細胞が増加していた。また下顎リンパ節への転移も確認された。これらの臨床および病理学的所見から, 本腫瘍は組織学的に低グレードの線維肉腫と考えられた。
- 獣医麻酔外科学会の論文
獣医麻酔外科学会 | 論文
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