Terra/MODISを用いた北方常緑針葉樹林における各種衛星指標の変化 ‐ 植生の生育開始時期に着目して ‐:― 植生の生育開始時期に着目して ―
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概要
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カナダ・マニトバ州の北方常緑針葉樹林帯にあるフラックスサイト"NSA-OBS"において,人工衛星Terra/MODISから計算された各種衛星指標(NDVI,NDWI,GEMI,EVI,S3)の季節変化の傾向を植生の生育開始時期に着目して考察した.解析期間は2000~2006年である.植生の生育開始時期は生態系純生産量(NEP)が正に転じる時と定義した. <BR>各種衛星指標は夏季に比べ,冬季に値の分散が大きくなった.これは,積雪期においてはBRDFモデルによって補正しきれていないデータがあり,その影響を受けたためと考えられる.NDVIはこの影響により,生育開始前後での変化とBRDF特性の影響に伴う変化の判別が難しい.また,GEMI,EVIは生育開始前後での変化がほとんど見られないため,植生の生育開始推定には適さない.一方,NDWIが最初に負に転じる時と生育開始時期との間によい対応関係が見られ,S3が最後に負に転じる時と生育開始時期との間にもよい対応関係が見られた.S3=0は雪の有無を判断するしきい値であることから(斎藤・山崎,1999),対象地域における植生の生育開始と消雪とに関係がある可能性がある.すなわち,衛星から雪の有無を判断することで,対象地域における植生の生育開始時期を推定できる可能性がある.
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