西オーストラリア乾燥地における Eucalyptus camaldulensis の樹液中塩類の挙動
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概要
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地球温暖化主要原因物質である二酸化炭素の削減対策として,炭素固定のための乾燥地における大規模植林技術の確立が求められている.乾燥地は植物成長に必要な水の量が大変少ないため,高効率な水利用が望まれる.樹木が成長のために必要とする水量を,樹木内の塩類収支により推定をする方法が提案されたが,この方法の精度を上げるためには,どの塩類に注目すべきか,また樹液中の濃度としてどのように代表値を定めるかが鍵となる.従って,様々な因子による樹木内塩類挙動の影響を,詳細に確認することが必要である.本研究では,西オーストラリア州レオノラ近郊を対象とし,対象地の優先樹種である<I>Eucalyptus camaldulensis</I>の自然植生を用い,樹液内塩類挙動について,樹液採取圧力,樹木樹高,根元からの距離,そして一日の中での変動,これらの因子による影響を検討した.その結果,圧力上昇に伴い樹液中塩類濃度はある幅内の収束傾向が見られ,影響を与えていることが確認された.また,日変化の影響も見られた.その他の因子については,樹液内塩類濃度に,顕著な挙動特性は確認されなかった.
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